記事 — Article / お金・仕事
「お金の古い映画」から
新しい映画に
スキップしよう!
長年、何をしても「お金の天井(ファイナンシャル・シーリング)」を打ち破れない人がいます。仕事を変え、時には業種すら変えても、給料も利益も変わらないまま。本人は十分に努力していて、仕事で成長し、正しい目標を立て、トランサーフィンの実践もしている。それなのに、何かが「お金のエネルギー」をブロックするように、強く邪魔をしてくる——。
その正体は、心の奥深くに隠れた「お金へのネガティブな固定観念(思い込み)」、そして豊かさを妨げる「古いプログラムやシナリオ」です。この記事では、それがどう私たちを縛っているのか、そしてトランサーフィンを使ってどう手放すのかを見ていきます。
あなたは今、どんな「映画」を再生しているか
トランサーフィンでは、現実を「映画のフィルム」にたとえます。私たちは、自分の思考や感情に合った「フィルム(人生のライン)」を選び、それを再生して生きています。お金についても同じです。「お金が常に足りない」という思考に固定されている人は、まさにその通りの「お金が足りない映画」を再生し続けてしまうのです。
人の思考は常に「お金が常に足りない」という一点に固定されています。まさにこのメンタル・テンプレート(思考の型)が、現実において実現しているのです。
ヴァジム・ゼランド『78日間トランサーフィン実践マニュアル』
だとすれば、やるべきことはシンプルです。今再生している「お金の古い映画」を一度止めて、別の「豊かな映画」へとスキップ(移行)すればいい。そのために、まず自分がどんな古いフィルムを回しているのかを知ることから始めましょう。
「人生のライン」や「映画のフィルム」のたとえについては 用語辞典「人生ライン」 と 「バリアントの空間」 で詳しく扱っています。あわせてどうぞ。
PART 1お金の「ネガティブな固定観念」
試しに、インターネットでお金に関する「ポジティブな」格言やことわざを探してみてください。きっと驚くはずです。ポジティブなものはほとんど見つからず、その代わりネガティブな言葉は膨大にあるからです。
- 「金を通して涙が流れる」
- 「多くを望めば、得るものは少ない」
- 「お金を稼ぐのは苦労だが、お金があれば馬鹿でも生きていける」
- 「お金を稼ぐのは簡単ではないが、使い果たすのは簡単だ」
- 「お金は水のように来ては去っていく」
- 「お金がない方がよく眠れる」
- 「幸せはお金ではない」
- 「お金が増えれば、厄介事も増える」
感じますか? 私たちがどれほど心理的に抑圧され、システムが作った「制限の枠」に閉じ込められているか、気づいているでしょうか? しかし真実は全く逆です。世界はお金と豊かさで満ち溢れています。私たちの生きる世界は無限の「バリアントの空間」であり、人が望むあらゆるものがそこに存在しています。私たちが受け取れるリソースに、上限などありません。ただ、「足りない」という古い偏見や思い込みが、私たち自身の可能性を制限してしまっているだけなのです。
これらのネガティブな固定観念は、多くの場合ごく幼い頃から引きずっています。「お金は悪だ。誠実な労働では稼げない」「金持ちはみんな泥棒だ」「お金持ちになるのは恥ずかしい」——親や教師から繰り返し聞かされた言葉が潜在意識の奥深くに根付き、いつしか気づかなくなるのです。そして、大人になって豊かになりたいと願っても、何かがブレーキをかけ続けるのです。
女性とお金にまつわる偏見
たとえば、女性とお金に関する一連の偏見もあります。ほんの100年前なら、女性が就ける職業は限られていました。しかし時代は変わり、今ではビジネスウーマンが大企業を率い、時に男性より多く稼いでいます。それでも社会的な偏見のせいで、女性はしばしば自分の経済的な基準(ハードル)を自ら下げてしまいます。「夫より多く稼ぐなんてできない。もし彼が去ってしまったら? 成功した女性はみんな孤独で不幸なのよ」——こんな思い込みによって。
思考を、あなたが好きなもの、望んでいるものに集中させるのです。
ヴァジム・ゼランド『78日間トランサーフィン実践マニュアル』
ここに挙げた固定観念のうち、あなた自身に心当たりのあるものはどれでしょうか。もしかすると、まさにそれが豊かさへの道であなたを立ち止まらせているのかもしれません。まずは1日を通して、そうした自分の固定観念を「追跡(観察)」することを習慣にしてみてください。
なぜ、自分の固定観念を「追跡(観察)」するのでしょうか。それは、固定観念というものは【あなたが無意識でいる(気づいていない/眠りに落ちている)時】にだけ、あなたを操る力を持っているからです。
「あ、私、今こういう固定観念でお金を見ていたな」と客観的に気づいた瞬間、その思い込みはあなたをコントロールする力を失います。観察することは、ただ見ているだけではありません。あなたがお金にコントロールされる側から、豊かな現実を「自分で選んで創る側」へと主導権を取り戻すための、一番最初のスイッチなのです。
ネガティブな固定観念が私たちの経済的な豊かさにどう影響しているか、そしてそれを新しいものに置き換える方法を、サマリナ氏が語ります。思考パターンを再構築するのに役立つ、ポジティブな固定観念の例も学べます。
PART 2古いプログラムと、新しい時代
私たちは、お金が「権力・成功・名声の象徴」であり、何世紀にもわたって争いや戦争を引き起こしてきた強力な「振り子」であることに慣れきっています。多くの人の人生が、お金をめぐる終わりのない競争に変わっている。無理もありません。私たちは長い間、「どんな犠牲を払ってでも目的を達成しろ」「分割して統治せよ」というモットーのもとで生きてきたのですから。
- 「食うか食われるか(やるかやられるか)」
- 「どんな犠牲を払ってでも成功を手に入れろ」
- 「お金は稼がなければならない(労働の対価でしかない)」
- 「成功を目指さなければならない」
- 「社会の基準に合わせなければならない」
- 「クリエイティブなこと(創造性)では稼げない」
- 「自分のビジネス(起業)は危険だ」
- 「お金は少なくても、安定している方が良い」
多くの人は、「趣味はお金にならない」「自分のビジネスを始めるのは危険だ」「リスクより安定が良い」といった古いシナリオ(プログラム)のもとで、未だに生きています。
タチアナ・サマリナ
「分割して統治せよ」という言葉、「そういえば昔、学校で習ったかも……」とぼんやり思うことはあっても、日常的にはあまり使わない言葉です。
これは、古くからある政治や軍事の有名な戦略のことで、強い敵や大きな集団を支配したいとき、彼らが団結して支配者に反抗してこないように、集団を小さなグループに”分割”し、お互いに対立(競争や喧嘩)させることで、支配者側が楽に国を治める(統治する)というやり方のことをいいます。古代ローマ帝国や、かつての大英帝国などが植民地を支配する際によく使った手法として知られています。
ではなぜ、この言葉がトランサーフィンのなかで語られるのでしょう?
トランサーフィンの文脈に当てはめると、古い3次元のシステムや「お金の振り子」は、まさにこの手法を使って何世紀にもわたって私たちをコントロールしてきたと言えるからです。振り子/システムは、私たちに「お金や資源は限られている」「他人に勝たなければ豊かになれない」と思い込ませ、人々を競争や終わりのないサバイバルレースに放り込みます(=分割して対立させる)。
私たちが「あいつには負けられない!」「自分だけは生き残らなきゃ!」とバラバラになって争い、エネルギーを消耗している限り、誰も「自分たちがシステム(振り子)にエネルギーを奪われ、操られている」という本当の事実に気づけないのです(=振り子/システム側が人々を楽に統治できる)。
しかし今、意識を広げ、高いエネルギーを受け入れる準備ができたすべての人にとって、光・愛・豊かさに満ちた「新しい時代」が到来しています。ここで最も重要な気づきは——「私たちには奪い合うものなど何もない。空気と同じように、お金は常に存在する」ということです。
新しい時代のモットーは「力は共同創造の中にある」です。
私たちはもう、リソースをめぐって戦う必要はありません。それどころか、他の人々と協力し、共同プロジェクトを立ち上げ、周囲の現実に価値ある貢献をすることで、以前よりはるかに多くのお金とチャンスを引き寄せることができるのです。
ここでは「共同創造」という言葉を用いましたが、もともとのロシア語はОбъединение(オブエジニェーニエ)といい、結合や統合という意味があります。タチアナはこの言葉を、「分割して統治せよ」とは逆の、「分離と競争」を終わらせる結びつきの言葉として使っています。
古い3次元のシステムが「Разделение(分離・分割)」のエネルギーであったのに対し、新しい時代は、誰かとパイ(豊かさ)を奪い合って必死に闘う必要や、自分を削って消耗させる必要はありませんよ、それはもう終わってますよ、ということ。むしろ、お互いの得意なことを持ち寄って協力したり、一緒にワクワクするプロジェクトを立ち上げて周りの人を喜ばせたりして、そうやって仲間と「価値」をシェアしていく方が、今までひとりで必死に頑張っていた時よりも、ずっと大きなお金やチャンスが自然と舞い込んでくるようになりますよ、ということを言っているのです。
お金を「奪い合う」感覚の裏には、しばしば「振り子」の働きがあります。私たちを競争や対立に巻き込むエネルギー構造について、詳しくは 用語辞典「振り子」 をご覧ください。
PART 3新しい映画へ ── 思考パターンを再構築する
慣れ親しんだ思考パターン(マインドセット)を再構築し、ネガティブな固定観念やプログラムから自由になるための第一歩は、それらを「見つけ出し、自覚すること」です。自分のネガティブな思考を追跡し、観察できるようになって初めて、それを少しずつポジティブなものに置き換えていけます。
たとえば、お店で高価なスーツや最新の携帯電話を見て、こんな考えが浮かんだとします。そのとき、思考を「追跡」して、次のように変換してみてください。
「私には絶対に買えない!」「ローンでしか買えない」「私にはふさわしくない」
↓ 置き換える
「私には絶対にそれが買えるようになる。もう少し後になればね」
「ボーナスがカットされたらどうしよう」「部署が縮小されて仕事がなくなる」「給料が遅れたら?」
↓ 置き換える
「私は優秀な専門家だから、ボーナスをもらえる」「クビになっても、すぐ新しい仕事が見つかる」「私は新しい収入源を発見する」
こうして、お金に関する古いフィルムを止め、新しいフィルムへとスキップしていきます。ポジティブな言葉が徐々に潜在意識に定着すると、あなたは新しい状態に入り、お金が「やってくる」ための正しいエネルギーを放射し始めます。そして、望むものを手に入れ、豊かに暮らすことがどれほど簡単になるかを、あなた自身が実感するはずです。
とはいえ、最初のうちはその置き換えがなかなかうまくいかないこともあります。特に理性が「けっ!」とばかりにバリバリに疑っている場合などです。最近トランサーフィンセンターに寄せられた質問の中で、「『私にはお金がある』と思おうとしても、内なる抵抗(理性の疑い)があって上手くいかない」という人にタチアナが語った6つのステップをシェアしますので、参考にしてみてください。
1.「想像する許可」を自分に与える
いきなり「私は金持ちだ」と無理やり信じ込むのは無意味です。まずは「自分がどう生きたいかを『想像』することくらい、自分に許してもいいよね? 想像の中なら何でもできるんだから」と、自分自身と対話してハードルを下げます。
2.自分の理想を「文字に書き出す」
「私にとっての豊かさの象徴とは何か?」「豊かな自分であるとは、私にとってどういうことか?」を自問し、自分の理想のライフスタイルを文字で詳細に書き出します。美しい家なのか、いつでも世界中を旅行できることなのか、人によって「豊かさ」は違います。(スマホやPCではなく)紙に書くことで、エネルギーは倍増します。
3.「すべては可能だ」という証拠を探す
書いていて「でもやっぱり信じられない」と思ったら、「でも、この世界では何でも起こり得るよね」と考え直します。貧しい環境から豊かになった人々の伝記やストーリーを読み、インスピレーションを得てください。(※もし嫉妬や嫌悪感を感じたら、読むのをやめて別の方法を探しましょう。)
4.「もし上手くいったら?」と仮定して、状態を感じる
「どうせ無理」という理性の声に対して、「でも、もし上手くいったら? どう感じるだろう? どんな気分で、どんなふうに振る舞うだろう?」と問いかけます。そして、書き出した自分の理想のシナリオを頼りに、その「状態(気分)」を捕まえて感じ切ります。
5.その「状態」のまま、何か行動を起こす
豊かな気分を捕まえたら、「今、この状態の私は何をしたいだろう?」と自問し、すぐに行動に移します。散歩に行く、絵を描く、旅行のチケットを調べるなど、お金という目的とは無関係なことで構いません。「豊かな気分のまま行動する」ことで、喜びや満足感のエネルギーが増幅され、あなたの中に定着します。
6.新しい状態で、再び自分のシナリオを読む
行動を終えて満たされた新しい状態のまま、ステップ2で書き出した自分の理想の生活のシナリオをもう一度読み返します。
タチアナ曰く、この一連のプロセスを毎日、3週間継続することで、「豊かな状態」がしっかりと固定され、現実にも最初の変化が現れ始めるそうです。「頭で信じ込ませる」のではなく、「行動を伴わせて体感(エネルギー)として定着させる」のがポイントです。
毎朝、口にしたい「お金のポジティブな言葉」
世界には、お金についてのポジティブな言葉も確かに存在します。下のリストから、あなたの内側で最も強く響くものをノートに書き出し、毎朝「思念体(思考フォーム)」として口に出して唱えてみてください。
なお、例としてあげているものはすべてトランサーフィンセンターからのものになります。それ以外でも、ご自身の好きな言葉をピックアップしてきたり、コレクションして唱えてみてください。
- お金は川のように、私のもとへ流れ込んできます
- わたしは、お金と成功を引き寄せる磁石です!
- お金は増え続ける流れとなって、私のもとにやってきます
- 豊かさ(お金/富)は、私が受け入れる祝福です
「思念体(思考フォーム)」と聞いて「おや?」と思った方もいるでしょう。これは、時期によってトランサーフィンとタフティで違う訳語があてられることがあるのですが、どちらも同じことを言っています。元のロシア語でも «Мыслеформа(ムィスレフォルマ/複数形はМыслеформы)» という単語がトランサーフィン・タフティ共に使われています。タフティではトランサーフィンからバージョンアップさせて、この思念体(思考フォーム)を三つ編みとセットで使うことでさらに強力になると説いています。
1.「思考」が「形(エネルギーの塊)」になったもの
「Мыслеформа(ムィスレフォルマ)」は、Мысль(ムィスリ:思考・思い)+ Форма(フォルマ:形・形態)という2つの言葉が合体してできた言葉です。つまり、頭の中でふわっと浮かんでは消えるような単なる「思いつき」ではなく、「明確な形とエネルギーを持った、思考の構造物(エネルギーの塊)」という意味合いが込められています。
2.一般的な「アファメーション」との決定的な違い
読者が一番疑問に思うのは「普通のアファメーションと何が違うの?」という点だと思います。タチアナ・サマリナは、「ただ言葉を機械的に何百万回唱えても、ほとんど効果がないか、意味がない」とハッキリ言っています。心の中では「どうせ無理だ」と疑いながら「私はお金持ちだ」と唱えても、「疑い」の方がより強く放射されてしまうからです。あなたがその言葉を心から味わい、気持ち(”気”+”持ち”)とともに唱えた時、それは単なる言葉の羅列から「現実を創る魔法のエネルギー体」へと変化するのです。
3.古いプログラムを「上書き保存」するためのツール
なぜ毎朝唱えるのか? それは、私たちが無意識のうちに「お金がない」「稼ぐのは大変だ」という古いネガティブな「思念体(想念)」(思い込みの塊)に操られて生きているからです。新しいポジティブな思念体を毎朝意識的に唱え、それを自分にとって「親しいもの(違和感のない当たり前の感覚)」にしていくことで、潜在意識の古いプログラムを、新しく豊かなプログラムへと「上書き保存」することができるのです。
思考や気分を「追跡(観察)」して切り替えていくこのワークは、トランサーフィンの「観察者」の実践そのものです。あわせて 用語辞典「観察者」 もご覧ください。
「成功やお金のことを考えると、まるで危険を感じたかのように体が固まってしまう」——そんな質問に、サマリナ氏が答えます。トランサーフィンを使って、身体レベルでネガティブな固定観念を中和し、置き換える方法を扱った回です。
お金が足りない「古い映画」を、もう再生し続けなくていい。
あなたはいつでも、豊かな「新しい映画」へとスキップできる。
必要なのは、今どんなフィルムを回しているかに「気づく」こと。そこから、すべては始まります。
トランサーフィンの全体像は 用語辞典「トランサーフィン」 から。思考が現実になる仕組みは 「物質的現実化」 で、力みが逆効果になる理由は 「重要性」 で詳しく扱っています。
