記事 — Article / 意図と目標の実現
人生を変えるために、
コンフォートゾーンを「拡大」してください──「抜け出す」と「広げる」は、まったく別のもの ──
Introduction
コンフォートゾーンの拡大とは何でしょうか。そしてなぜヴァジム・ゼランドは、トランサーフィンの本の中でこのことについて頻繁に書いているのでしょうか。
コンフォートゾーンを拡大するとは、成功した人間という新しい資質(状態)で自分自身を見るように、自分を慣れさせることを意味します。
もしあなたが自分の望む現実のスライドを視覚化して、そのとき自信のなさを感じるなら——あなたに必要なのは、コンフォートゾーンの拡大です。徐々に、新しい資質で自分を見ることに慣れてください。そうすれば、すべての制限はあなたの頭の中にしかないことがわかるでしょう。
トランサーフィンでいう「コンフォートゾーンの拡大(新しい資質で自分を見るように慣れさせる)」と、一般的なポジティブ思考(自己暗示)は、一体何が違うのでしょうか。
魂は、言葉や理屈では絶対に説得できません。
ですから、頭で「私は成功するにふさわしい!」と何度唱えようと(理性で説得しようとしても)、魂は全く信じてくれないのです。では、説得できない魂にどうやって「覚え込ませる」のか。それは自己暗示というトリックではなく、「バーチャルな経験(感覚)の蓄積によって『慣れさせる』」というアプローチをとります。実際にその状態(気分)を体験させ、魂に「あ、これ心地いいな」と味見させることと言ってもいいかもしれません。そのメカニズムは、次の3段階です。
1. 魂は「理屈」はわからないが「感覚」はわかる
トランサーフィンで「ゴールのコマ(すでに目標を達成した映像)」を頭の中で流すのは、魂を言葉で説得するためではありません。目的は、魂にその成功した状況の「感覚」をバーチャルに体験させることです。ヴァジム・ゼランドは、これを「映画館で映画を見るように、そのシーンを外から見るのではなく、そのシーンを生きるのです。バーチャルでいいのです」と表現しています。
2. 細部を味わい、「経験済み」のことにしてしまう
頭の中で目標を達成した新しい自分の姿を描くとき、ただぼんやり見るのではなく、細部を大切にし、新しい要素を付け足しながら、その状況の居心地の良さをじっくりと味わいます。魂は、何度もその「成功した心地よい感覚」を浴び続けるうちに、それが未知の恐ろしいものではなく、「すでに知っている、慣れ親しんだ快適な経験」だと認識するようになります。これが、コンフォートゾーンが拡大する(魂が慣れる)ということです。
3.「信じる(トリック)」から「知っている(知識)」に変わる
無理やり思い込もうとするトリック(自己暗示)には、常に「本当に叶うのかな?」という疑い(高められた重要性)がつきまといます。
しかし、ゴールのコマを通して魂がその状況に完全に「慣れ」てしまうと、もはや疑う必要すらなくなります。
トランサーフィンではこれを、「疑いは影をひそめ、信念は知識へと姿を変えます」(「信じようと頑張る状態」から「すでに知っていて当たり前な状態」へのシフト)と表現しています。
つまり、「魂(心)に覚え込ませる」というのは、理屈で言い聞かせることではなく、「魂が『あ、この感覚知ってる。私にとって当たり前の快適な場所だ』と完全に安心(順応)するまで、何度もバーチャルな成功体験を味わわせてあげること」なのです。
そして、魂が「これは私のものだ」と感覚として知っている状態(魂と理性の一致)になったとき、現実の世界への扉が自動的に開かれます。これがトランサーフィンにおける「コンフォートゾーンの拡大」です。
コンフォートゾーンとは何か ── パラシュートは要らない
エクストリームとは、何の関係もない
非常によくある質問があります。
「なぜコンフォートゾーンを拡大するの?」
そもそもこの概念には、何が含まれているのでしょうか。
まず最初にはっきりさせておきましょう。これは、パラシュートでジャンプしに行ったり、山に登ったり、すべてを投げ捨てて森に住みに行ったりする必要がある、という意味ではまったくありません。
多くの人が、コンフォートゾーンをエクストリームスポーツやライフスタイルの急激な変化と誤って結びつけています。
そうではないのです。
これまでの人生を壊すことも、背後の橋を燃やす(退路を断つ)ことも、何か極端なことをすることも、求められてはいません。
コンフォートゾーンとは、あなたが守られていて、穏やかで、快適だと感じる心理的状態のこと。つまり、あなたの慣れ親しんだ反応、感情、思考、そしてあなたの行動や外的状況——あなたが生きている「舞台装置」のひとそろいです。
もしあなたが、成功して豊かさに満ちた自分の人生のスライドを視覚化して、そのとき自信のなさを感じるなら——それらはすべて、まだあなたのコンフォートゾーンに入っていない、ということです。そして、まさにこのゾーンを、拡大する必要があるのです。
原語は «декорации»(デコラーツィイ)——演劇や映画の「セット・書き割り」を指す言葉です。トランサーフィンでもタフティでも、人生はしばしば「映画」や「舞台」にたとえられます。シナリオ(台本)があり、フレームがあり、そして舞台装置がある。この記事の後半で「内的状態を変えれば、周りの舞台装置も変わる」と語られるのは、この比喩の延長線上です。あなたが変わるのではなく「セットが入れ替わる」——現実のバリアントが切り替わる感覚を、よく捉えた言葉だと思います。
舞台装置の変化と言っても、同じ舞台の中で大道具だけが変わっているというのではありません。
内的状態(発信するエネルギーの周波数)が変わると、現実は別のセクター(別の舞台/映画フィルム)へと移動し始めます。最初は距離が近いセクターに移動するため、「シナリオ(日常の出来事)」は似ていますが、なんとなく世界が優しくなったような「舞台装置のわずかな色合いの変化」として感じられ、やがて「シナリオ(ストーリー展開)そのものが、成功や幸福へと向かう全く別の映画」へと完全に切り替わるのです。この「舞台装置が変わる」という感覚は、別の映画に乗り換えているサインと捉えることもできるでしょう。
ゾーンに入らないものは、あなたのものにならない
ゼランド氏の原則
ヴァジム・ゼランドは著書『トランサーフィン実践コース 78日間』の中で、こう書いています。
コンフォート・ゾーンの中になければ、手に入ることはありません。しかし、コンフォート・ゾーン自体を広げることはできます。自分自身のゴールのコマ(※スライドのこと)を作り、頭の中で、折に触れてそれを流し続けるのです。何度も、何度も、です。細部を大切にし、新しい要素を継ぎ足し、今までと違う自分の姿を見るようにするのです。
ヴァジム・ゼランド『トランサーフィン実践コース 78日間』
あなたは最高のものすべてを受け取るにふさわしい。すべては現実で、限界はなく、境界線はあなたの頭の中にだけ存在する——サマリナ氏はゼランド氏の言葉を、そう続けます。
では、なぜコンフォートゾーンを拡大するのでしょうか。
それは、あなたの目標を実現し、人生をより良い方向へ変えるためです。新しい目標が現れて、その実現には変化が必要だと感じている——そんなときは、何よりもまずあなたの内的状態を変えることから始めてください。そうすれば、その後で、あなたの周りの舞台装置も変わります。
「昔のやり方で行動し続けているなら、何か新しいものを手に入れることは不可能だ」という有名なフレーズを覚えていますか?
慣れ親しんだコンフォートゾーンの枠の中に閉じ込められている間は、新しいものを人生に招き入れることはできないのです。
「拡大する」と「抜け出す」の違い── 宇宙に放り出される前に
この記事の、いちばん大事な区別
簡単な例を挙げましょう。
あなたは2部屋のアパートに住んでいますが、自分の郊外の家も持ちたいと思っています。雇用されている従業員として働いていて、その職業に大きな能力と経験があるにもかかわらず、その仕事が特に好きではありません。そして、その状態からさらに前進し発展する準備ができていると感じているとしましょう。
あなたは意図を設定します。
「私は自分自身の郊外の家に住んでいる。私には成功裏に発展しているビジネスがある」
しかし。当然ながら——2部屋のアパートに住み、発展も財政も制限してくる仕事に通っている、その慣れ親しんだコンフォートゾーンの、その現実のバリアントの中では——この意図は実現できません。
まず、コンフォートゾーンを拡大することから始める必要があるのです。
ここで大事なのは、私たちが「拡大する」と言っているのであって、「そこから出る」とは言っていないことです。この2つは、まったく異なる概念だからです。
意図を扱ってワークしているのに、物理的次元では目標に向かって何もしていない——すると宇宙自らが、あなたをゾーンから「放り出し」ます。たとえば、突然の失業。その「蹴り」の後で、あなたは慌てて動き始める。これが「脱出」です。
背後の橋は燃やさない。退路は断たない。急激に出るのではなく、安心して動ける領域を、自分のペースで一貫して広げていく。宇宙に放り出されるのを待たず、今日から自分で始める。これが「拡大」です。
もしあなたが、成長し発展する準備ができている、新しい目標が現れた、と認識しているなら——それは、じっと座っているのではなく、前へ進む必要がある、ということ。慣れ親しんだコンフォートゾーンの拡大を、今日から始めてください。
日本の自己啓発では「コンフォートゾーンを抜け出せ」「壊せ」という言い方が定番ですが、トランサーフィンはこの記事のとおり、一貫して「拡大」の側に立ちます。これは単なる言葉の好みではなく、教えの根幹と繋がっている、と編集部は読んでいます。
急激な脱出——退路を断つ、すべてを賭ける——は、その行為自体が過剰ポテンシャル(「失敗できない」という重要性の急上昇)を生みます。すると平衡力が働いて、跳んだ先で足をすくわれやすくなる。
一方「拡大」は、一歩ごとに新しい状態を「当たり前」に変えていくので、重要性が積み上がりません。跳ぶのではなく、地面のほうを少しずつ広げる——だから安全に遠くまで行ける、という理屈です。「抜け出そうとして、ひどい目にあった」経験のある方にこそ、この区別は効くはずです。
今日からできる拡大 ── 高級レストランの、一杯のお茶から
お金の分野は、特に
この話は、お金について——物質的な豊かさの向上について語るとき、特に当てはまります。
この分野でのコンフォートゾーンの拡大は、いろいろな方法でできます。
たとえば、高級レストランで一杯のお茶を飲むことを自分に許可することから始まって、興味のある分野のスキルアップコースを受講することまで。
もし、自分が何をしたいのかまだわからないなら——興味のある分野をただ探索して、さまざまな活動で自分を試してみてください。
何か新しい情報を閲覧し始める、それだけのときでさえ、あなたはすでに自分のコンフォートゾーンを拡大しているのです。
発展か、退化か ── タフティの言葉
自分を創り上げることは、労働ではない
認識してください。私たちは、発展し進化するか、あるいは退化するか——そのどちらかです。人間はそのようにできています。そして発展を選ぶとき、私たちは新しい大胆な目標を実現するために、どうであれ、以前のコンフォートゾーンを離れ、それを拡大し、その境界を越えていくのです。
タフティは、こう言っています。
あるのは発展か退化かのどちらかです。しかし、自己成長を厄介な義務や重労働だと考えるべきではありません。
タフティ ── 動画内でのサマリナ氏の引用より
それどころか、停滞、無活動、そして怠惰の中にとどまることの方が、はるかに苦痛です。自分を創り上げることは労働ではなく、さらに快適な何かに向けた、心地よい準備なのです。
私たちの人生とは、絶え間ない発展であり、前への継続的な動きです。
大切なのは、自分の魂に耳を傾け、真の目標を定めながら、一歩一歩を意識的に、そして徐々に行うこと。コンフォートゾーンを拡大してください。そうすればあなたは、自分の人生をより良い方向へ変えるでしょう。
「魂に耳を傾け、真の目標を定める」——その具体的な方法は、記事「魂の声を聴くには?」で。また、変化を前にした不安との向き合い方は、Q&A「お金の不安が、押し寄せてくる」をどうぞ。
跳ばなくていい。
地面のほうを、少しずつ広げていく。
高級レストランの一杯のお茶から。
新しい情報をひとつ開くところから。境界線は、あなたの頭の中にしか存在しません。
