記事 — Article / お金・仕事
ビジネスを発展させ、
収入を増やすには?
── トランサーフィン流、6つの手順
используя практики Трансерфинга
「トランサーフィンって、ビジネスにはあまり使えない」
そんな印象を持っている人は、案外多いのかもしれません。
そもそもゼランド自身、「この方法を使えば月収○万円になります」といった売り方をしているわけではありません。
お金についても、「目標ではない」「目標の属性である」と言う。
それだけ聞けば、「で、結局どうやって稼ぐの?」となるのも無理はありません。
「願望実現には使えても、ビジネスには応用しにくい」
「現実創造の話と、売上を作る話は別物では?」
そんなふうに見えてしまうのも、ある意味では自然です。
ところが。
2016年10月、トランサーフィンセンターのタチアナ・サマリナは、かなり真正面からこんなテーマの動画を公開しています。
「トランサーフィンの実践を使って、ビジネスを発展させ、収入を増やすには?」
しかも、「望む結果をもたらすスキームを、今すぐお渡しします」と言い、ペンを取って書き留めてもいい、と6つの項目を順番に挙げていきます。
では、その6項目とは何だったのか。
集客でしょうか。
価格設定でしょうか。
広告でしょうか。
売上目標でしょうか。
違います。1つ目から、いきなりこうです。
「お金は目標にしない」
しかも動画では、さらに一歩踏み込んで、
「お金は目標の属性であって、手段でも方法でもない」
とまで言っています。
「お金は目的ではなく、手段です」なら、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。しかし。
「手段ですらない」とは、どういうことなのでしょうか。
そして残る5項目にも、いわゆるマーケティング施策はほとんど出てきません。出てくるのは、
結果の明確なイメージ。
何を人に与えているのか。
コンフォートゾーン。
自分のビジネスの価値。
そして、フリーエネルギー。
最後には、これら6項目すべてが「重要性を下げる」ことにつながるとまで言っています。
つまりこれは、「トランサーフィンをビジネスに応用したら、マーケティング手法が6個出てきました」という話ではありません。
むしろ逆で、ビジネスを発展させ、収入を増やしたいなら、まず”お金をどう増やすか”から、「最終的にどんな結果を実現したいのか」へ注意を切り替えること。
2016年に公開された約5分間の動画で提示されていたのは、そんな、一見するとかなり逆説的なビジネスの設計図でした。
「お金は目的ではなく、手段です」──でもない
「お金は目的ではなく、手段です」
これは現在では、かなり一般的な言い方になりました。
お金そのものを人生の目的にするのではなく、やりたいことを実現するための道具として考える。
ここまでは、納得する人も多いと思います。
ところが2016年、タチアナ・サマリナはその一歩先をさらりと言っています。
「お金はあなたの目標の属性であり、手段でも方法でもありません」
……手段でもない?では、何なのか。
ここでトランサーフィンが問題にしているのは、「現実社会でお金を見るな」という話ではありません。
何か物やサービスを買えばお金を払うし、事業には経費もかかります。
なので、「見ない」とか「扱わない」とか、そうではなく、
目標へ向かう途中に、「まずお金を手に入れなければならない」という中間目標を挟まない、ということです。たとえば、
海外で暮らしたい
↓
そのためには500万円必要
↓
まず300万円を稼がなければ
↓
稼げたら、ようやく海外へ行ける
こうしているうちに、注意が向いているのは「海外で暮らしている現実」ではなく、「300万円がまだない現実」になっていく。
だからタチアナ・サマリナは、
「お金のことばかり考えているなら、そこに線を引いて消してください」
と言います。そしてすぐ次の項目で、
「では、あなたのビジネスが実際に生み出す結果は何なのか」
「どんな像(結果の明確なイメージ)を見ているのか」
と問い直しているのです。つまり、
お金を消したあと、何も考えなくなるのではなく、お金の向こう側にあった、本来の目標へ注意を戻す。
「お金は手段です」と考えた瞬間、注意は本来実現したかった結果から、「そのためのお金をどう得るか」へズレやすくなります。
トランサーフィンが”手段ですらない”と言うのは、そのズレを起こさないためなのです。
では、何に注意を向けるのか──6つの手順
では、「ビジネスを発展させ、収入を増やす」ために、サマリナ氏は何を挙げたのでしょうか。
まずは、トランサーフィンセンターの元記事に掲げられている6項目を、その順番のまま見てみます。
一般的に考えれば、売上や集客の話が並びそうです。ところが実際に置かれているのは、かなり違うものです。
一つずつ掘り下げる前に、まず全体を見てみましょう。
動画の冒頭でサマリナ氏は、
「ビジネスを安定させ、収入を増やしたい」
という、かなり現実的な悩みをそのまま取り上げています。
つまりこの動画で話していることは、「精神的に豊かになりましょう」という抽象論ではありません。
彼女は明確に、「ビジネスに望む結果をもたらすための“手順”」として、この6項目を提示しています。
そのうえで、最初に言うのが——「お金を目標にしない」です。
手順1・2 ── お金を目標から外し、「どんなビジネスにしたいか」を明確にする
「私たちはお金を目標にはしません」——サマリナ氏は、そう切り出します。お金は目標にはなり得ない。お金はあなたの目標の属性(付随するもの)であって、手段でも方法でもない、と。
もし自分のビジネスにおいて、いつもお金のことばかり考えているなら——「どうか、それに線を引いて消してください」。そして、注意を具体的な結果のほうへ移すこと。ここが1つ目です。
仕事をしていれば、「お金」が目標になるのはごく普通のことです。
「今月の売上目標は100万円」
「今年は年商○千万円を目指す」
「月収をあと10万円増やしたい」
会社でも関わるプロジェクトでも数字で目標を置くのが当たり前ですし、売上や利益を把握せずに事業を続けることもできません。
では、トランサーフィンが「お金を目標にしない」と言うのは、売上を計算するな、経営上の数字を持つな、という意味なのでしょうか。
そうではありません。
ここで問題になっているのは、お金を「自分が実現しようとしているものそのもの」にしてしまうことです。
「お金は、あなたの目標の属性である」というとき、ここでいう「属性」は、単なる「おまけ」というより、目的へ向かう道に付随してくるものと考えたほうが近いでしょう。
とはいえ、「属性」と言われても、普段こんなふうに考えることはほとんどないので、少し分かりにくいかもしれません。
ここでは、「その目標が実現している現実の中に、一緒に含まれている要素」くらいに考えてみてください。たとえば、
「自分のビジネスが安定し、人に価値を提供し、自分も十分に生活できている」
という現実が実現しているなら、その中には当然、売上や収入も含まれています。
しかし、売上だけを取り出しても、それはあなたが本当に実現したかった現実そのものではありません。
お金は、その現実の一部。だけど目的地そのものではない。
だからトランサーフィンでは、注意を「いくら欲しいか」から、「では、どんな現実を実現したいのか」へ戻していきます。
2つ目は、望む結果を明確にすることです。
もしまだ意図を設定していないなら、設定する。
すでに設定していても、その中身が「いくら稼ぐか」「自分が何を得るか」だけになっているなら、少し組み直してみる。
タチアナがここで問いかけているのは、そのビジネスが最終的に、どんな状態になっていてほしいのか。ということです。
売上はいくらか、という数字だけではありません。
その仕事はどんな形で続いているのか。
自分はそこで何を実現しているのか。
最終的に「こうなっている」と言える状態は何なのか。
第一に大切なのは、あなたが何を見ているか。つまり、自分のビジネスについて、どんなイメージをつくっているかです。
タチアナ・サマリナ/同動画
「完成形」と言われても、そもそも「金額」「数字」以外で思い描く習慣がないと、何を描けばいいのかわからないというケースも多いのではないでしょうか。
そのビジネスが“うまく回っている”としたら、具体的に何が起きている?というのをイメージするようにしてみましょう。
「いくら入るか」だけではなく、そのビジネスが具体的にどんな結果を生み、最終的にどうなっているのかを見るということです。たとえば、こんな違いです。
・「月商100万円」
→ 毎月、必要としている人から安定して申し込みがあり、無理な値下げをせずに商品やサービスを提供できている。リピーターもいて、自分も追い立てられずに仕事を続けられている。
・「年商3000万円」
→ 一人で全部抱え込まずに仕事が回り、必要な部分は人に任せられている。商品を待っている人がいて、提供したものへの反応も返ってくる。次の商品を考える余裕もある。
・「月収30万円」
→ 毎月の生活費を仕事の収入でまかなえていて、翌月の支払いに怯えずに仕事を選べる。必要な道具や資料にもお金を使えている。
・「●●を売りたい」
→ ●●が必要な読者に届き、「これを探していた」「ありがとう!」という反応が返ってくる。次の●●を待っている顧客がいる。
・「お店を繁盛させたい」
→ 店に人が入り、商品が動き、また来てくれる人がいる。自分が売りたいものと、お客さんが求めているものが噛み合っている。店を続けられるだけの収入も発生している。
などなどです。
そのビジネスが望む形でうまく回っているとき、具体的に何が起きているのかを描くということです。
「お金は目標の属性である」という言い方そのものを掘り下げた記事があります。お金は、真の目標の属性である──それって、どういう意味?
「意図」の語義は用語辞典の意図をどうぞ。
手順3 ── フレイリングの原則:与えること、そして受け取ること
「フレイリング」と言われても、トランサーフィン以外では耳にすることもない言葉ですから、これだけでは何のことか分かりにくいかもしれません。
トランサーフィンでの基本は、かなりシンプルです。
自分が何を受け取りたいか、という意図からいったん離れ、
自分は相手に何を与えられるか、という方向へ意図を切り替える。
つまりフレイリングをビジネスに置き換えると、
「私はいくら受け取りたいか」だけを見るのではなく、
「その対価の反対側で、私は何を渡しているのか」
そこに焦点を当ててください。
そして、さらにそれを意図の中にも書くこともできます。
「この仕事によって、自分は何を人に与えているのか」
「そのビジネスは、誰に何をもたらしているのか」
という視点を加えるのです。
この動画でサマリナ氏は、フレイリングを「давать и брать(与えること、そして受け取ること)」と短く表現しています。
ただし、これは一般的な「ギブ・アンド・テイク」とは少し違います。
ギブ・アンド・テイクというと、「こちらが与える、その代わりに相手からも受け取る」という交換を思い浮かべやすいからです。
フレイリングの原則は、むしろ「Give → Get」に近いものです。
まず、「自分は何を受け取りたいか」という意図から、「自分は何を与えられるか」へ向きを変える。
すると、最初に手放したはずのものを結果として受け取る。
だから重要なのは、「返してもらうために与える」ことではありません。
受け取ることを主役にした状態で、与えるという手段を使うのではなく、意図そのものの向きを”与える側”へ変えるということです。
なぜ、これがビジネスの話になるのでしょう。
ビジネスでは、つい売る側の結果から考えます。
「今月あと10万円売りたい」
「申し込みをあと5件増やしたい」
「この商品をもっと売りたい」
もちろん数字の管理は必要です。
でも、それは全部、こちら側が受け取りたいものです。
フレイリングでは、そこで視点を反対側へ移します。
その10万円の売上が生まれるとき、相手は何を受け取っているのか。たとえば、
「商品を1個売る」ではなく、
→ その商品によって相手に何がもたらされるのか。
「講座に10人集める」ではなく、
→ 参加した10人は何を理解したり、できるようになったりするのか。
「記事を有料で販売する」ではなく、
→ 読んだ人は、そこから何を持ち帰れるのか。
ここで初めて、タチアナが5つめのところで言う、「他の人々にとって、あなたのビジネスの価値は何ですか?」という問いが効いてきます。
手順4・5 ──「自分にはここまで」を広げ、自分の価値を見失わない
「コンフォートゾーン(快適域)を広げる」と聞くと、苦手なことに挑戦したり、居心地の悪い場所へ無理に飛び込んだりすることを思い浮かべるかもしれません。
しかし、この動画でタチアナが続けている言葉を見ると、ここで重視されているのは少し違います。
今あるものの限界を超え、常にコンフォートゾーンを広げてください。
タチアナ・サマリナ/同動画
最終的に自分が本当に望むものを持つことを、自分に許す可能性を広げてください。
つまりここでのコンフォートゾーンは、単なる「居心地のいい範囲」というより、
「これは自分が持っていてもいい」、「この状態に自分がいても不自然ではない(ごく自然なこと)」
と思える範囲と深くつながっています。
望んでいる現実があるのに、自分がそこにいることにはまだ慣れていない。
トランサーフィンでいうコンフォートゾーンの拡大は、この「自分にはここまで」という境界を少しずつ広げていくことです。
STEP1〜3で明確にしたイメージがあるとして、ここでポイントになってくるのは、「その現実を、自分は本当に“自分のものとして持てる”と思えているか」の確信度合いです。
たとえば「もっと大きな仕事をしている」と意図しているのに、実際に大きな案件の話が来た瞬間、「私には無理かも」となる。
「もっと余裕のある働き方をしている」と思いながら、「でも、こんなに楽に仕事をしてお金を受け取っていいのかな」となる。
「もっと適正な価格で提供したい」と思いながら、価格を出す段階になると、「高すぎると思われるかも」と引っ込めたくなる。
これはあくまでビジネスに置き換えた例ですが、望んでいる現実と、「自分に許している現実」の範囲が一致していない状態です。
だから「もっと頑張れ」ではなく、「それを持つことを自分に許せる範囲を広げる」ということをあげているのです。
ちなみに、コンフォートゾーンを広げるための実践について、サイトの記事になっていないメルマガや動画の中で、サマリナ氏がいくつか紹介しています。
豊かで成功している人の状態に慣れていくために、
・高級レストランへ行き、そこでコーヒーを一杯飲んでみる。
・少し上質な財布を持ってみる。
・高価なアクセサリーを、特別な日だけでなく普段から身につけてみる。
これらについては、聞いたことがある人も多いかもしれません。
タチアナ・サマリナはそこに次のことを追加しています。
「自分には許していないこと」のリストを書き出し、少しずつ実行してみる。
ただし、借金したり、全部の給料を高価なものにつぎ込む必要はない、とも明記されています。「小さなこと、ちょっとしたディテール、新しい習慣から始めれば十分」とされています。
ここでの目的は、贅沢をすることそのものではありません。
「これは私には縁のない世界」だったものを、少しずつ「ここに私がいてもいい」に変えていく。
そう考えると、「コンフォートゾーンを拡大する」の意味がかなり見えやすくなります。
5つ目は、自分のビジネスの価値です。
ここでのタチアナの言い方は、かなり強いものです。
もし、自分のビジネスに本当に価値を見いだせないのなら、潔く終止符を打って、その仕事から離れてもいい。
そう言い切ります。
ただし、ここは少し注意して読む必要があります。
というのも、その直後にタチアナが話しているのは、「価値のないビジネスをしている人」ではなく、「自分や自分のビジネスを過小評価している人」だからです。
彼女は、コンサルテーションの場で、
「ええ、何かはやっています。お金には集中しています。でも、これといった価値は生んでいません」
という人によく会うと言います。そして、そこで一言。
「ストップ!自分のビジネスの価値を感じ始めてください」。
つまり、ここで確かめるべきなのは、
「本当にビジネスそのものに価値がないのか」
それとも、
「本当は価値があるのに、自分がそれを認識できていないのか」
という違いです。
だから彼女は、こう問い直しているのです。
あなたのユニークさはどこですか?
タチアナ・サマリナ/同動画
あなたは何を与えているのですか?
自分の仕事によって、何が生まれているのか。
誰に、何を渡しているのか。
そこを見たうえで、その価値を自分自身でも認識する。それが5つ目です。
自己評価が低いときや、仕事がうまくいっていないときには、実際に価値があっても「こんなことに意味があるのだろうか」と感じることがあります。
この動画でタチアナが直後に取り上げているのも、まさに自分や自分のビジネスを過小評価している人たちです。
ですから、ここでいきなり「価値を感じられない→辞める」と判断するのではなく、まずは、
「本当に価値がないのか。それとも、自分がその価値を見失っているだけなのか」
を分けて考える必要があるのです。
コンフォートゾーンの拡大は、単独で一本の記事になっています。人生を変えるために、コンフォートゾーンを「拡大」してください
「自分は何を与えているのか」という問いを仕事選びの側から辿るならトランサーフィンで自分の使命(天職)を見つけるための、5つのアドバイスを。
手順6 ── 身体を整え、フリーエネルギーが流れる状態をつくる
最後は、フリーエネルギーです。
ここで突然、「スポーツ、瞑想、マッサージ」と言われると、少し不思議に見えるかもしれません。
ビジネスを発展させる話だったのに、なぜ急に身体の話になるのでしょうか。
ロシアのトランサーフィンセンターでは、タチアナ自身が「これはすべてのレッスンでいつも話していること」と言うくらい、フリーエネルギーは前提知識として扱われています。
一方、日本では、この考え方が詳しく説明されている『リアリティ・トランサーフィンⅢ』が長く絶版のため、ここだけ読むと話が飛んだように見えます。
これは単に、「仕事を頑張るには体力が必要だから」という話ではありません。
トランサーフィンでは、そもそも身体が、現実創造の仕組みから切り離されていないからです。
トランサーフィンでは、人間が使うエネルギーを大きく二つに分けています。
一つは、食物の消化・吸収などによって得られる生理エネルギー。
もう一つが、自由エネルギー(フリーエネルギー)です。
ヴァジム・ゼランドはこれを、人間の身体を通過している宇宙のエネルギーとして説明しています。
つまりフリーエネルギーは、「気合い」や「やる気」の言い換えではないことを押さえておく必要があります。
そしてもう一つ大切なことは、トランサーフィンのモデルにおいて、身体はフリーエネルギーが通って流れる導管として位置づけられています。だから、身体の状態が大切になるのです。
ゼランド氏は、筋肉が緊張すると、目に見えないエネルギーの流れが正常に循環しにくくなり、反対に、身体の緊張を解くことで、その循環のバランスが回復すると説明しています。
さらに、フリーエネルギーが不足すれば、日常のことさえ自分を無理に動かさなければできなくなり、創作活動や積極的な行動も難しくなる、としています。
また、意図の実現に欠かせない外的意図のはたらきも、身体を流れるフリーエネルギーの状態が影響します。
それ故に、身体を整えることは、意図の実現レベルにおいても無関係ではないのです。
2016年のこの動画でサマリナ氏は、こう言っています。
「お金はエネルギーです。
あなたの中にも同じエネルギーが流れています。
私たちの意図を実現する外的意図も、またエネルギーです」
そのうえで、成功するビジネスには、十分なフリーエネルギーが必要だと言っているのです。
ここまでつなげて読むと、スポーツやマッサージが突然出てきたわけではないことが分かります。
意図を設定する。
その一方で、その意図を扱う自分自身のエネルギーの流れも整える。
そのために、頭が空っぽになるようなことをする。身体を動かす。緊張をゆるめる。身体をケアする。瞑想する。リラックスする。マッサージを受けるなどを勧めています。
これが、6つ目に身体の話が置かれている理由です。
そして彼女は、そこにもう一つ言葉を足します。「楽しむこと」。
つまり、目標を達成するだけでなく、ただ楽しむということです。
タチアナ・サマリナ/動画「トランサーフィンの実践を使ってビジネスを発展させ、収入を増やすには」2016年10月24日
私たちはいつも結果を目指し、目標へ向かっていますが、それだけになります。
そのため、「楽しむ」「味わう」という瞬間を取りこぼしてしまう。
けれど、まさにその“楽しむこと”が、大量のフリーエネルギーにつながるのです。
「味わい尽くす、という言葉は、男性にはあまり馴染みがないかもしれませんが」——彼女はそう軽く付け加えてから、この話を締めています。
ここでの順序に注意してください。
「エネルギーを溜めるために楽しむ」のではありません。(※そもそもフリーエネルギーは溜めることはできません。)
目標ばかり追っていると、「楽しむこと」が抜け落ちる。
でも、その楽しむことこそが、フリーエネルギーにつながるのです(流れる量が変わるのです)。
身体とエネルギーの土台についてはなぜ身体のワークが必要なのか──トランサーフィンとエネルギーの土台、休息の扱い方についてはトランサーフィン流・正しい休息のススメをどうぞ。
最後のひとこと ── 6つは、何のために並んでいたのか
6項目を言い終えたあと、サマリナ氏は最後に一言だけ付け加えます。
さらに言っておきたいのは、これらすべての項目が、重要性を下げることを可能にするということです。私たちはこれをやってしまいがちなのですが——それは、また別の話ですね。
タチアナ・サマリナ/同動画
そして、本当にそこで動画は終わります。
しかし、トランサーフィンの文脈では、この一言はかなり重要です。
なぜなら、「重要性を下げる」とは、単に気持ちを楽にすることではないからです。
ヴァジム・ゼランドは『リアリティ・トランサーフィン2』第1章「意図」で、目的に重要性を与えすぎると、理性はその目的を「何としてでも勝ち取ろう」とし、内的意図で世界に圧力をかけ始めると説明しています。
そして、外的意図に一歩でも近づくためには、重要性を引き下げる必要があると書いています。
ここまで戻ると、今回の6項目の並びが違って見えてきます。
お金ばかりを追わない。
本当に実現したい結果を見る。
「自分が得ること」から「何を与えているか」へ向きを変える。
「自分にはここまで」という範囲を広げる。
自分のビジネスの価値を過小評価しない。
身体を整え、フリーエネルギーが流れる状態をつくり、楽しむ。
これらは、単なる6つのビジネス・テクニックではありません。
共通しているのは、
「売らなければ」
「稼がなければ」
「この目標を絶対に達成しなければ」
と力み、世界を自分の力だけで押し始める状態から離れることです。
トランサーフィンの言葉でいえば、内的意図だけで無理に現実を動かそうとする状態から、外的意図が働ける側へ戻していく。
だから、この動画の最後に「重要性」が出てくるのです。
6項目を実践した結果として、たまたま気持ちが楽になるのではありません。
重要性を下げ、外的意図を自分で邪魔しない状態に戻ることまで含めて、6つの手順だった。
そう読むと、この動画が一般的な「売上を伸ばす6つの方法」とまったく違う理由も見えてきます。
「収入を増やす方法」なのに、売上テクニックがひとつもない
この動画のタイトルは、「ビジネスを発展させ、収入を増やすには」です。
普通ならここから、価格設定、集客、販売数、利益率、広告、事業計画——そんな話が出てきそうです。
ところが、6項目を見直してみると、そうした話は一つもありません。
お金そのものに触れるのは、最初の項目だけ。
しかも内容は、「お金を目標にしないでください」です。
つまりこれは、「どうやって、もっとお金を得られるようになるか」を教える動画ではありません。
むしろ、「お金を増やしたい」と思ったとき、自分の注意がどこへ向いているのかを点検し直す動画になっています。
お金から、実現したい結果へ。自分が受け取りたいものから、相手に与えているものへ。「自分にはここまで」という範囲から、自分が本当に望む状態へ。売上の数字から、自分のビジネスが持っている価値へ。そして最後は、身体とフリーエネルギー、さらに「楽しむこと」へ。
こうして並べ直してみると、不思議なくらい一貫しています。
お金を増やしたいからといって、お金そのものを追いかけ続けない。
それが、この動画で最初から最後まで繰り返されている方向転換です。
だから、これは「お金の話をしていない」のではありません。
トランサーフィンでは、これがお金の話なのです。
結び ── 金額は、現実を保証しない
私たちは、お金を数字で見ます。
月商100万円。
年収1000万円。
貯金300万円。
そしていつの間にか、その数字そのものを、欲しかった現実と同じものとして扱うようになります。
「300万円あれば半年暮らせる」
「月100万円売れれば安心できる」
「これだけ貯めれば大丈夫」
けれど、よく考えると、金額そのものがそれを保証しているわけではありません。
歴史を見れば、それはもっとはっきりします。
ソ連崩壊前後のロシアでは、長年かけて貯めた預金の数字そのものは残っていても、激しいインフレによって、その数字で買えるものが大きく変わりました(1992年のロシアでは、消費者物価が年間で約2,500%上昇しています。ちなみにゼランド氏は2007年のインタビューで自身を「45歳」と語っており、逆算すると1992年当時は30歳前後。約2,500%のハイパーインフレは、彼にとって歴史の教科書の出来事ではなく、成人後に経験した「現実」だったことになります)。
今回の動画がアップされた2016年10月24日から15日後の2016年11月8日、インドでは高額紙幣の廃止措置によって、それまで普通に使っていた500ルピー札・1000ルピー札が、突然その夜のうちにそのままでは使えなくなりました。
どちらも、お金が消えたわけではありません。
しかし、「お金の数字や紙そのものは、現実を絶対保証するものではない」と実感させるような出来事でした。
そう考えると、トランサーフィンが「お金は目標の属性である」と表現する意味も、少し違って見えてきます。
たとえば、本当に欲しかったのが、
生活に困らないこと。
好きな仕事を続けられること。
必要なものを必要なときに買えること。
時間に追われずに暮らせること。
自分の仕事が必要な人に届き続けること。
だとしたら、金額はその現実の中に含まれる重要な要素ではあっても、その現実そのものではありません。
売上も同じです。
月商100万円という数字があっても、毎月限界まで働いて利益がほとんど残らないビジネスと、無理なく続けられ、必要な人に価値を届けながら十分な利益が残るビジネスでは、同じ「100万円」でもまったく違う現実です。
だから、「いくら欲しいか」だけでは、望む現実までは指定できないのです。その金額によって、本当はどんな現実を生きたいのか。
2016年のこの動画が最初にお金を目標から外して、「具体的な結果」へ注意を移すよう求めたのは、もしかすると、とても単純な理由なのかもしれません。
金額は、必ずしも現実を絶対に保証するものではないからです。
「重要性」そのものの語義は用語辞典の重要性/重要性の調整へ。
お金というテーマの周辺ではお金の振り子に振り回されず、“味方につける”トランサーフィンの秘訣、仕事もなく、返済もある状況で、どうすれば豊かさを放射できるのか?もどうぞ。
お金は、目標ではない。
目標に、付いてくるもの。