Q&Aライブラリ ── トランサーフィンセンター
「どんなテーマを話せば、
振動が上がりますか?」
──高振動な話題を探しても、意味がない、その理由
「どんなテーマが振動を上げるのでしょうか? 天気についてですか、子どもの成功についてですか、それとも自然についてですか?」
ナデジダさんという方から寄せられた、ずいぶん具体的な質問です。
おそらくナデジダさんは、“高振動な話題のリスト”のようなものを知りたかったのだと思います。
天気?子どものこと?自然のこと?あるいはもっと高尚な?
ところが返ってきた答えは、そういうものではありませんでした。
「まず自分の意識をそこへ同調させなさい」
一瞬、虚を突かれそうな言葉です。
質問すると、欲しい答えがそのまま返ってこない。
── トランサーフィンやタフティの原典を読んでいると、何度も出くわす感覚です。肩透かしをくらったような感じになることもしばしばあります。
本ページでは、トランサーフィンセンターが公開したこのQ&Aを全文訳したうえで、動画版にだけ残されていた一言を手がかりに、なぜサマリナ氏は質問にストレートに答えなかったのか、そしてその答えがどこへ向いていたのかを、順番に辿ります。
「何を話せば、振動は上がるのか?」
今回取り上げるは、2024年6月に公開された無料ウェビナー『新しい時代の光のエネルギー(Световые энергии Нового времени)』の抜粋動画からです。
視聴者のナデジダさんからの質問に、タチアナ・サマリナが答えています。
ヴァジム・ゼランドは、会話や、そこで話されるテーマがエネルギーレベルに影響を与えると述べています。
ナデジダ(視聴者)/無料ウェビナー『新しい時代の光のエネルギー』2024年6月3日
では、どんなテーマが振動を上げるのでしょうか? 天気についてですか、子どもの成功についてですか、それとも自然についてですか。何について、そしてどのように会話を進めればよいのでしょうか。
とても真っ当な質問です。
話されるテーマがエネルギーレベルに影響するのなら、影響するテーマの一覧がほしい。天気の話は安全そうだ、子どもの成功の話はどうだろう、自然の話ならきっと良いはずだ——質問者は、具体的なテーマを挙げながら、「何について話せばよいのか」を知ろうとしています。
日本語で読んでいても、まず気になるのはそこだと思います。
「振動」という言葉を見て、「波動」じゃないの?と思った方も多いと思います。
ここで使われている原語は вибрация(ヴィブラツィヤ)。英語の vibration と同じで、直訳すれば「振動」です。
トランサーフィンやタフティでは、частота(周波数)という言葉と並んで使われることもあります。
一方、日本のスピリチュアル分野では、вибрация は「波動」と訳されることがほとんどです。しかし、今回使われている вибрация(ヴィブラツィヤ)とは別に、ロシア語には物理的な「波」からエネルギーの「波長」まで広く使われる Волна(ヴォルナ) という言葉が別に存在しており、トランサーフィンの中でも「на одной волне(同じ波長・波動に乗って)」や、「волна удачи(幸運の波)」といった文脈で度々登場します。
そのため当サイトでは、原語との対応が見えやすいように、基本的に вибрация という語が用いられているところは、「振動」と表記しています。
もちろん、「波動」という訳が間違いというわけではありません。
日本語では「波動」という言葉のほうが、スピリチュアルな文脈では馴染みがある人も多いと思います。
ただ、その馴染みのあるイメージをいったん外して、「vibration=振動」という原語の感覚で読むと、この回答が少し見えやすくなります。
まず、記事の答えを読む
トランサーフィンセンターの公式サイトでは、この質問に対して、次のように回答しています。
会話が私たちの振動を上げるものとなるためには、自分の意識をそこへ同調させる必要があります。
あなたが高い振動へ同調し、世界の受け取り方が変わり、「目覚める」とき——そのとき、あなた自身と対話相手の双方を成長させるようなテーマが、おのずと見つかります。そうした会話のあとには、満たされた状態(наполненность)が残ります。テーマ自体は、それほど重要ではありません。
「自然について」ひとつ取っても、話し方はいくらでもあるからです。光のコードについて語ることもできれば、バーベキューに行ってきた話をすることもできます。会話のテーマはどちらも「自然」ですが、会話の中身はまるで違います。もちろん、空虚な会話や、不安を煽るニュース、他人の噂話に加わってしまえば、あなたの振動は下がります。しかし、振動を上げるテーマをわざわざ探すことは無意味です。
自分が話していることを自分自身で感じていないなら、それは働きません。ですから、あなたの最優先の課題は「目覚める」ことです。
タチアナ・サマリナ/トランサーフィンセンター公式サイト「Какие разговоры понижают наши вибрации, а какие – повышают?」
あなたが「目覚める」とき、他の人々との会話は、自然と正しく組み上がりはじめます。
ここまで読んで、少し引っかからないでしょうか。
質問者のナデジダさんが知りたかったのは、「では、具体的に何について話せばいいのか?」でした。
ところが回答では、具体的な「おすすめテーマ」はほとんど示されません。代わりに繰り返されるのは、
「意識を同調させる」
「目覚める」
「テーマを探しても意味がない」
という話です。
なぜ、質問にそのまま答えず、こちらへ話を持っていくのでしょうか。
その理由は、同じQ&Aの動画版にだけ残っている、冒頭の一言を見るとわかります。
なぜ答えがストレートに返ってこないのか
実は、動画では公式サイト版から落ちている一言があります。それが、こちらの一言で、始まりの言葉です。
私なら、もちろんそこ——どうやって会話を進めるか——からは始めません。
タチアナ・サマリナ/同動画(発言)
この一言があると、なぜサマリナ氏が「会話におすすめのテーマ」を答えなかったのかがわかります。
ナデジダさんが知りたかったのは、
「何を話せば振動が上がるのか」、「どういう会話をすればいいのか」
という、かなり具体的なことでした。
けれどサマリナ氏は、そこから始めません。
先に必要なのは、話題や会話の仕方を選ぶことではなく、自分の意識状態を整えることだと言います。
なぜなら、自分ではそう感じてもいないのに、「振動が上がりそうだから」と高尚なテーマを選んでも、それでは機能しないからです。
つまり、質問に答えるのを避けているのではなく、順番が逆だと言っているのです。
「何を話せばいい?」の前に、「どんな状態で話している?」を見る。
これが、この回答の出発点です。
文章化された公式サイトの記事だけを読むと、少し「はぐらかされた」ように見えます。
しかし、動画には記事版では省かれている
「私なら、そこからは始めません」
という一言が残っています。
質問をはぐらかしているわけではありません。
サマリナ氏から見ると、問いを立てる場所が少し違うのです。
質問者の方は、“外側の題材”に答えを探していました。
しかしサマリナ氏は、そこを出発点にしませんでした。
「高振動になる話題はどれ?」と外側から正解を選ぶのではなく、まず自分の意識状態を整える。そうすれば、話すテーマのほうが自然に変わってくる。
HEHで記事版と動画版を両方確認するのは、こうした違いを拾うためです。
「自然の話」なら、振動は上がるのか?
質問者は、「自然について話すのはどうですか?」と具体例を挙げていました。
サマリナ氏は、その「自然」をそのまま使って、同じテーマでも、会話の中身はまったく違うものになりうると説明します。
「自然について」も、いろいろな話し方ができます。
タチアナ・サマリナ/同動画(発言)
光のコードについて、光の情報のダウンロードについて話すこともできますし、自然のなかへバーベキューに行ってきた、という話をすることもできます。
内容は別ものですが、どちらも自然についての話です。
ここで注意したいのは、サマリナ氏が
「光のコードの話=高振動」「バーベキューの話=低振動」
と分けているわけではないことです。
彼女が言っているのは、もっと単純です。
「自然」というテーマを選んだからといって、それだけで会話の質が決まるわけではない。
同じ「自然の話」でも、何をどう話すかによって、中身はまったく違ってきます。
だから、「自然なら高振動」「このテーマなら大丈夫」と、話題だけを選んでも意味がない。
サマリナ氏が見ているのは、あくまでも、何を話すかよりも、どんな状態でそれを話しているか。
そして、「何を話せば高振動になるか」という正解探しのハシゴそのものを外しているのです。
突然「光のコード」という言葉が出てきて、何のことだか戸惑われた人もいるかもしれません。
「光のコード」という言葉は、このQ&Aで突然出てきたわけではありません。
この動画の元になった無料ウェビナー『新しい時代の光のエネルギー』の中で出てきたもので、本編では「光のコードとは何か」「光の情報のダウンロード」「どう関わるのか」が長く語られ、実践も行われています。
つまりサマリナ氏は、質問に答える際、その日のウェビナーで実際に扱っていたテーマを例に出しているのです。そのうえで、
「光のコードについて話すこともできるし、自然へシャシリクに行った話をすることもできる。どちらも“自然の話”ではある」
と言っています。
つまりここでは、その日の講義内容を身近な例として持ち出し、「同じ“自然”という括りでも、話の中身はまったく違いうる」と説明しています。
高振動らしい話題を選んでも、それだけでは働かない
では、「自然」や「光のコード」のような、いかにも振動が上がりそうな話題を選べばいいのでしょうか。
そうではないと、サマリナ氏は言います。
しかし強調しておきたいのは、振動を上げてくれるテーマを探すべきではない、ということです。
タチアナ・サマリナ/同動画(発言)
私がそう感じておらず、そう思ってもいないのに、意図的に、わざとらしく何かをしているのなら——それは働きません。
ここで使われているнарочито(ナロチート)は、「わざとらしく」「ことさらに」という意味です。つまり、
本当はそう感じてもいないのに、「これは高振動な話題だから」と、それらしいことを話しても意味がない。
ということです。
ここでも、サマリナ氏が見ているのは話題そのものではなく、話している本人の状態です。
質問者は、「何を話せば振動が上がるのか」と、外側に正解を探していました。それに対してサマリナ氏は、
「正しい話題を選ぶことより、まず自分がどんな状態にいるか」
を先に見ています。
だから、「高振動になるテーマの一覧」は出てこないのです。
では、どんな会話には加わらないほうがいいのか
「振動を上げるテーマ」については、具体的なリストを出さなかったサマリナ氏ですが、一方で、避けたほうがいい会話については、いくつか例を挙げています。
・空虚な会話
・不安を煽るニュース
・他人の噂話
・誰かを非難している場
・страшилки(恐ろしい話・こわい噂)を論じている場
——そこに「あなたも加わる」という状況
そして、そのあとに使われているのが включаетесь(ヴクリュチャーエテシ) という言葉です。
これは文脈上「加わる」という意味ですが、もともとの感覚には「スイッチが入る」があります。
ですから、ここは単に「そういう話題が存在してはいけない」ということではありません。
「そこに自分までスイッチを入れて、同じ会話の流れに入っていくな」という感じです。
テーマがどうでもいいわけではありません。
サマリナ氏自身、「テーマはもちろん影響する」と言っています。ただし、
「振動を上げたいから、高振動っぽい話題を選ぶ」という順番ではなく、まず自分の意識状態を整える。すると、話す内容も自然に変わってくる。
反対に、誰かを非難したり、恐怖や不安を煽る会話が始まったときには、そこへ自分まで“スイッチを入れて”加わらない。
つまり彼女が言っているのは、「高振動になる正解のテーマを探しなさい」でも、「テーマなんて何でもいい」でもありません。
自分がどんな状態で話しているのか。
そして、どんな会話に自分のスイッチを入れているのか。
そこを見る、ということです。
ここは、少し引っかかるところです。
「高振動になりそうなテーマを選んでも意味がない」のに、なぜ「低振動な会話」は存在するのか?
Q&Aの部分だけを切り取ると、たしかに少しちぐはぐに聞こえます。
ただ、ウェビナー前半でサマリナ氏は、低い振動をネガティブな感情、
高い振動を愛・感謝・喜び・インスピレーションなどと説明しています。
さらに、本当はそう感じていないのに「私は愛の中にいる」「私は喜びの中にいる」と形だけ整えても、それは違うとも話しています。
つまり、彼女が見ているのはテーマ名そのものではなく、その会話の中で実際にどんな状態になっているかです。
「自然」や「光のコード」を話しているから高い、ではない。
一方で、誰かを非難したり、恐怖や不安を煽る会話に自分も“スイッチを入れて”加われば、実際にその状態へ入っていく。
なので、ここでのポイントは、「テーマは関係ない」ではなく、「テーマだけでは決まらない」と言い換えることもできそうです。
たとえば「愛」「感謝」「高波動」といった言葉を使っていても、それだけで会話や行動の質が決まるわけではありません。
逆に、日常的な話題だから低いとも限らない。
サマリナ氏が見ているのは、言葉の看板ではなく、そのとき実際にどんな状態にいるかです。
では、「目覚める」とは何なのか
ここまでサマリナ氏は、「高振動になるテーマ」を探すのではなく、まず自分の意識状態を整えることが先だと話してきました。
では、具体的に何をすればいいのか。
最後に示されるのが、「目覚めること」です。
ですから、あなたの課題は、目覚めることです。
タチアナ・サマリナ/同動画(発言)
そうすれば、テーマは自然と正しく組み上がっていきます。
この「目覚める」は、このQ&Aだけを見るとかなり唐突です。
けれど、元になったウェビナー本編では、その前に「目覚め」をいくつかの段階に分けて説明しています。
サマリナ氏の説明を大まかに整理すると、
①これまで当たり前だと思っていた世界の見方が変わり、自分の注意を扱えるようになる
②内面の状態や意識が変わり、自分が何を望んでいるのかを感じ取れるようになる
③さらに、「自分は本当は何者なのか」というところまで意識が向かっていく
そしてQ&Aでは、
「世界の受け取り方が変わり、今日お話ししたあの段階を経て、目覚めていくと、そういうテーマが見つかる」
と、本編の説明を受けて答えています。
つまりこの抜粋動画後半の「目覚める」は、突然出てきた精神論ではありません。
「高振動な話題を頭で選ぶ」のではなく、自分の見方や意識状態そのものが変わっていくと、話す内容もその変化についてくる。
サマリナ氏が言っているのは、そういう順番です。
このQ&Aの「目覚める」は、ここだけで完結する言葉ではありません。
HEH内ですでに扱っている関連テーマから辿ると、位置づけがつかみやすくなります。
・「眠っている」とはどういう状態か、なぜ目を覚ます必要があるのか → 起きているのに、眠っている?
・目覚めている状態を、技法として指す言葉 → 用語辞典「気づきの中心点」、および気づきの中心点──内側と外側を、同時に見るには?
・新しい時代という文脈での「移行」と目覚め → 新しい時代、トランサーフィン、タフティ──3つは、どうつながっている?
なお、このQ&Aは、2024年6月3日に行われた無料ウェビナー『新しい時代の光のエネルギー』(https://www.youtube.com/watch?v=HCUncfA9pPE)の一部です。
今回の記事では、Q&Aの理解に必要な範囲だけ、本編の内容も参照しています。
「内側の状態が、そのまま外へ出ていく」という仕組みそのものについては、あなたの人生は24時間ライブ放送中!言葉にならない本音を現象する「放射」の仕組みで詳しく扱っています。本記事の「テーマではなく状態」という話の、土台にあたる回です。
結び
質問は「何を話せばいいか」でした。
答えは「何を話すかの前に、どのような状態で話しているか」でした。
この二つがずれて見えたのは、質問者が「何を話すか」を探し、サマリナ氏が「どんな状態から話すか」を見ていたからでした。
そして、このスタイルはこの回に限りません。
トランサーフィンやタフティの原典を読んでいて、あるいはトランサーフィンセンターの記事を読んだり、動画を観ていて、
「知りたいことに答えてもらえていない」
と感じるとき、このレイヤーの違いを感じます。
それに気づくところまでが、たぶん一つの読み方です。
そして、ここまで辿ってくると、もう一つだけ、問いが残ります。
「何を話すか」ではなく、「どんな状態で話しているか」が大切なのだとしたら——
その言葉を受け取る、もう一人の「誰か」は、どこに、どんな状態でいるのでしょうか。
会話は、一人では起こりません。
こちらの状態が整い、そこから言葉が生まれる。
相手もまた、その人にしかない場所から、そして状態から、その言葉を受け取る。
その二つが出会ったとき、会話の前にはどちらの中にもなかった何かが、生まれることがあります。
だとすれば、会話とは、自分の振動を上げたり下げたりするだけのものではないのかもしれません。
そして会話が終わったあと、そこに何が残っているのか。
サマリナ氏は、その一つの目印として
наполненность──「満たされた状態」
という言葉を使っていました。
会話が終わったあと、自分の中に、何が残っているか。
相手とのあいだに、何が生まれていたか。
もしかすると、振動というものは、話している最中よりも、会話が終わったあとの静けさの中で、いちばんよくわかるのかもしれません。
テーマは、探すものではなく、
整ったあとに、見つかるもの。
